○美幌町認知症初期集中支援推進事業実施要綱
平成30年4月1日
制定
(趣旨)
第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号以下「法」という。)第115条の45第2項第6号に基づく認知症初期集中支援推進事業の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 本事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることのできるために、認知症の者やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。
(実施主体)
第3条 この事業の実施主体は、美幌町(以下「町」という。)とする。ただし、町は、事業の全部又は一部(第8条第3号の事業を除く。)を適切な事業運営が確保できると認められる団体等に委託することができる。
(実施体制)
第4条 支援チームは、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師(以下「認知症サポート医」という。)の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる者又は認知症の者(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問し、観察・評価し、並びに家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行うことにより、自立生活のサポートを行うものとする。
2 支援チームは、地域包括支援センター職員、町職員、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症専門医、介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保するものとする。
(認知症初期集中支援チーム員の構成)
第5条 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、次に掲げる要件を満たす専門職2名以上及び専門医1名の計3名以上の者により編成する。
(1) 専門職は、次の要件を全て満たす者とする。
ア 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士、介護支援専門員又はこれらに準ずる者であって、かつ、認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有すると町が認めた者
イ 認知症ケアや在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者
ウ 国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講した者。ただし、やむを得ない場合には、当該研修を受講したチーム員が受講内容を共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も認めることとする。
ア 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある者
イ 認知症サポート医であって、認知症の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)
(チーム員の役割)
第6条 前条第1号の要件を満たす専門職は、訪問支援対象者の認知症の包括的観察及び評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。
2 前条第2号の要件を満たす専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。
3 初回に訪問する場合のチーム員数は、原則として、医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計2名以上とする。
(訪問支援対象者)
第7条 訪問支援対象者は、原則として、40歳以上で在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる者又は認知症の者のうち、次のいずれかに該当するものとする。
(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない者又はこれらのサービスを中断している者で、次のいずれかに該当するもの
ア 認知症疾患の臨床診断を受けていないもの
イ 継続的な医療サービスを受けていないもの
ウ 適切な介護サービスに結び付いていないもの
エ 介護サービスが中断されているもの
(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者
(事業内容)
第8条 事業内容は、次に掲げる事項とする。
(1) 支援チームに関する普及啓発 地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行うものとする。
(2) 認知症初期集中支援の実施
ア 訪問支援対象者の把握 支援チームが地域包括支援センター若しくは認知症疾患医療センター又は町担当課経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮することとし、また、チーム員が直接訪問支援対象者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センター等と情報共有を図る。
イ 情報収集及び観察・評価 支援チームは、本人のほか、家族等の協力を得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等及び家族の状況等の情報を収集するほか、信頼性・妥当性の検証された観察・評価票を用いて、認知症の包括的観察・評価を行う。
ウ 初回訪問時の支援 初回訪問時に、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診又は介護保険サービスの利用の効果に関する説明並びに訪問支援対象者又はその家族の心理的サポート及び助言等を行う。
エ 専門医を含めたチーム員会議の開催 初回訪問後、訪問支援対象者ごとに観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行うこととし、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、地域包括支援センター職員、町担当課職員等の参加も依頼する。
オ 初期集中支援の実施 医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境等の改善等の支援を行う。なお、支援期間は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6か月とする。
カ 支援の終了と引継ぎ後のモニタリング 初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合には、認知症疾患医療センター若しくは地域包括支援センターの職員又は担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引継ぎを行い、引継ぎの2か月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行う。
キ 記録等の保管 支援チームは、訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間保管することとする。
(3) 認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置 支援チームの設置を検討し、及び支援チームの活動状況を評価するため、医療・保健・福祉に携わる関係者等から構成される認知症初期集中支援チーム検討委員会を設置する。
(秘密の保持)
第9条 チーム員は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)等を踏まえ、訪問支援対象者及び対象者世帯の個人情報やプライバシーの尊重、保護に万全を期すものとし、正当な理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(補則)
第10条 この要綱に定めるもののほか、認知症初期集中支援推進事業の実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、平成30年4月1日から施行する。
附則(令和5年4月1日一部改正)
この要綱は、令和5年4月1日から施行する。